世界経済の矛盾 global economy and paradox 2004 1 16
前から思っていたことですが、
今日の日経新聞の第19面で、
「大機小機」において、
「世界経済の絶対矛盾」という記事があり、
それを読んで、不満が、少し解消されました。
今の世界経済は、矛盾があると思います。
現在の世界経済は、アメリカだけが、機関車役となっています。
アメリカの「消費文化」が、機関車役となっています。
日本などの他の国は、アメリカへの輸出に頼って、景気を回復しています。
その結果、アメリカは、巨額の経常赤字となりましたが、
その巨額の経常赤字を、十分に満たすほどには、
民間資金が、もはやアメリカには流れなくなりました。
そこで、ドル安へと動きやすいのです。
しかし、日本などの他の国は、
アメリカへの輸出に頼って、景気を回復しているから、
ドル安では、困るのです。
そこで、日本などの国が、ドル買いの介入をして、ドル安を防いでいるのです。
しかし、ドル安の根本原因は解消されていないので、
やはり、ドル安へ動くのです。
さらに、アメリカは、アメリカの輸出産業を考えて、
ドル安を黙認しているのです。
このような綱渡りは、いつまで続くのか。
とうてい、長く続くとは思えない。
社会主義国並みに、規制が多い日本は、
アメリカの「ロウソクの火」が消えないうちに、
規制緩和で、内需拡大を図るべきです。
アメリカについては、
このまま、消費文化で、走るしかないかもしれない。
今さら、アメリカ人に、貯金をしろと言っても、無理な相談でしょう。
それに、金利の引き上げは、危険でしょう。
アメリカには、アメリカ特有の消費文化、
言い換えれば、「借金文化」というものがあります。
たとえば、住宅ローンの利率が引き下げられると、
ローンの借り換えで、資金的な余裕ができます。
それを、アメリカ人は、消費に回すのです。
日本人ならば、借金が減って、
うれしいと感じるだけで、それ以上のことはしないでしょう。
これは、文化の違いなのでしょうか。
それにしても、この「借金文化」は、
いつまで続けられるかが、ポイントとなります。
いずれにせよ、為替をめぐる各国の攻防で、
漁夫の利を得ているのは、アメリカ国債かもしれない。
ひょっとして、アメリカ国債を売るために、
「継続する、穏やかなドル安」を演出しているかもしれない。
この「穏やかなドル安」を続ければ、
アメリカ国債が、当分の間、消化できます。
現在の状況では、低金利で資金調達するには、
「穏やかなドル安」を演出すれば、いいのでしょう。
同時に、アメリカの輸出産業も助かるのでしょう。
この状況は、各国が、内需回復するまで続くのかもしれない。